お金と上手に付き合っていきたい……そう願う人の前に突如現れる『まるわかり研究室』にようこそ! 老後資金の準備といえば、iDeCo(個人型確定拠出年金)が思い浮かびますが、「まだ先の将来のために多額は掛けられないし、iDeCoはやらなくてもいいか」と感じている方も多いのではないでしょうか。
しかし、iDeCoはたとえ少額しか払い込めない場合でも、長期的な資産形成の手段になります。さらに税制面の優遇もあるんです。クイズを交えながらシュナ室長と学んでみましょう!
解けるかな!? 問題にチャレンジ!
レベル★★☆☆☆

※試算条件:会社員年収400万円、運用期間35年、運用利回り3%で拠出
※計算結果はあくまでシミュレーションであり、金額を示唆・保証するものではありません
※個別の税務取扱等につきましては、行政官庁・専門家等にご確認ください
参考:(株)NTTデータ・エービック「iDeCo シミュレーション」
【シュナ室長からのヒント】
答え
正解は…Cの「全部」!
クイズのイラストにもあった通り、毎月1万円をiDeCo で運用するだけでも、35年後には試算上7,354,679円(積立元金と運用益)の運用結果を得られる上、iDeCoは掛金を払い込む「拠出時」や「運用時」「受け取り時」のそれぞれに税制上のメリットがあります。
iDeCoは次のような節税効果があります。
・毎月の積立金額が全て所得控除になる
iDeCoで積み立てた掛金は全て所得控除の対象となるため、課税所得を減らすことができ、結果的に所得税と住民税が安くなります。そのため、例えば年収400万円の方(クイズと同条件)が月に1万円ずつ積み立てた場合、年間18,100円分もの税金が軽減されるということになるのです。
※専業主婦(夫)の方など収入がない、または収入が一定額以下の場合は、ご自身で住民税や所得税を負担されていないため、所得控除のメリットを受けることはできません。
▼詳しくはこちら
iDeCoに加入すればどれくらい節税できる? 職種・収入・掛金による違いを解説!
・運用中に出た利益には税金がかからない
通常、金融商品を運用し、運用益が出た際は税金(約20%)がかかります。しかし、iDeCoの運用益は非課税のため、本来引かれるはずの税金分もそのまま再投資でき、効率よく運用することができます。
・年金を受け取る時にも控除が受けられる
iDeCoは受け取り時に、老齢年金方式で5年以上20年以下の期間で受け取るか、老齢一時金として一括で受け取るかを選択できるほか、年金と一時金を組み合わせて受け取ることも可能です。「一時金」の場合は退職所得控除、「年金」の場合は公的年金等控除の対象となり、それぞれ一定額まで税金がかかりません。
▼詳しくはこちら
iDeCoはどのように受け取る?賢く受け取るためにこれだけは知っておこう
いかがでしょうか。iDeCoは、口座管理手数料や信託報酬などの手数料(投資信託を使用した場合)、維持費などがかかるため、一見負担が大きい制度のように感じる方もいるかもしれません。
しかし、節税メリットを含め総合的に考えると、口座にお金を眠らせておくよりも、月に1万円でも、iDeCoで運用しながらコツコツ老後資金を貯めていく方が、上手なお金の貯め方と言えるのではないでしょうか。
それでは次回の【まるわかり研究室】の開講をお楽しみにー!
監修:株式会社FPフローリスト 小俣彩氏