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加入済み保険を放置しているとリスクが増加?  共働き夫婦がチェックすべき保険のポイント!

加藤梨里(監修兼任)
イラスト
鈴木衣津子
UPDATE
2020/12/03/
加入済み保険を放置しているとリスクが増加?  共働き夫婦がチェックすべき保険のポイント!

結婚して1年、新婚生活にも慣れて、そろそろ出産や育児も意識する頃。この先も働き続けるつもりだけど、いざというときに備えて医療保険を見直した方がいい? 独身のときにはいった保険はどうすればいい?

【登場人物】

【教えてくれた人】加藤梨里さん
マネーステップオフィス株式会社代表。ファイナンシャルプランナー。保険会社、信託銀行、ファイナンシャルプランナー会社を経て2014年に独立。専門は保険、ライフプラン、健康経営など。大学院で健康増進について研究活動を行い、健康マネジメント学修士号を取得。著書に『ガッツリ貯まる貯金レシピ』(主婦と生活社)など。

加藤梨里さん

【話を聞く人】遠藤 由美さん
結婚して1年ほど経過した30代前半の女性。正社員として働き続ける予定だが、今後、出産・育児などで仕事から離れる可能性が高いのと、夫は保険などいざという時の備えに無頓着なため、保険など身の回りの備えについて、FPに相談しにやってきた。なお、夫婦ともに医療保険に加入はしているが、職場に来た保険会社の人や、母親からすすめられるがままに入ったため、あまり詳しくわかっていない。

遠藤 由美さん

共働き夫婦でも経済的リスクはある?

共働き夫婦でも経済的リスクはある?

結婚を機に保険など身の回りの備えについて考えているんですけど、そもそも日々の家計の管理のこともまだよくわかっていなくて。共働きなので収入にはゆとりがあると思っているのですが、生活していく上で考慮しておくべき、経済的なリスクはどんなものがありますか?

遠藤さん

ダブルインカム(収入源が二つある状態)なら、確かに家計にゆとりがあると思いますよね。でも、油断していると思いのほかお金を使ってしまうことも。ご夫婦それぞれでお財布、貯金を管理していると、家計全体の収支を把握しづらいとお悩みのご夫婦もいらっしゃいます。また、お財布を別々に管理していることで、お互いの貯金や保険の加入状況などがわからず「万が一の備えが不十分だった」というケースもあります。

加藤さんファイナンシャルプランナー加藤さん(以下、加藤さん)

なるほどー!確かに私や夫に何かあったとき、お互いをカバーできる経済的な余裕があるかどうか不安かも。さらに子どもが生まれるとなれば、また支出の内容も変わってきますよね?

遠藤さん

そうですね。お子さんが生まれると、ご夫婦ともに仕事と家庭の両立のためにお金をかけることが増えてきます。わが家も共働きですが、仕事で忙しいときには子どもを寝かしつけるまでの時短のために晩ご飯を外食にするなど、食費がかさむことがあります。

加藤さん加藤さん

そういった共働き夫婦ならではの支出が、万が一への備えに影響することもありますか?

遠藤さん

そうですね。支出が増えれば貯金はできなくなるので多少の影響はあります。それ以上に、夫婦がお互いに忙しいと、万が一のときの支出や子どもの教育費などについてゆっくり話し合って計画をたてる機会を作りづらいという方もよくいらっしゃって、そちらの影響の方が大きいかもしれません。ご夫婦で相談する前にどんな備えが必要か確認しておく必要がありますね。

加藤さん加藤さん

そういえば、最近夫婦の会話が少なくなってきたかも……。
では、これからのライフイベントに備えるためにはどんなことをしておくと良いのでしょうか?

遠藤さん

遠藤さんは新婚生活もそろそろ軌道に乗ってきた頃でしょうから、月々の生活費も把握しやすいと思います。金額を決めて、毎月コツコツ貯めてはどうでしょう。生活費を使った後の残りを繰り越すだけという貯め方は避けたいですね。思ったほど貯まらないことがありますから。毎月手取り月収の1~2割を貯金できたら理想的ですね。いざというときにすぐに引き出せるお金が、生活費の半年~1年分くらい貯まると安心だと思います。

加藤さん加藤さん

なるほど。これだけ貯めておけば万が一のときに収入がなくなっても当面は暮らせますね。

遠藤さん

万が一にはさまざまな事態が想定されますが、共働きのご夫婦は特に病気やケガをしたときの備えを優先的に考えておきたいですね。手元に十分な貯蓄があれば、医療費などの出費にも、治療のため仕事を休んで収入が減ったときにも対応できます。

加藤さん加藤さん

ちなみに、貯金以外で、病気やケガをしたときに備えられるものってありますか?

遠藤さん

保険で備える方法があります。

加藤さん加藤さん

共働き夫婦が備えたい保険とは?

具体的にどんなものがあるのでしょうか?

遠藤さん

おもに、次の2種類があります。共働きのご夫婦は、お互いの収入で日々の生活を支えているケースが多いですから、夫婦どちらかが病気やケガをしたときへの備えはぜひ考えておきたいですね。

加藤さん加藤さん

1.医療保険
病気やケガをして入院したときや手術をしたときなどに保険金が支払われます。病院で請求される入院費や差額ベッド代、手術費などに備えるのに向いています。
2.就業不能保険
病気やケガのために働けなくなったときに保険金が支払われます。退院した後も自宅療養が必要で仕事を休職し、収入が減ってしまうなどのリスクに備えるのに向いています。

病気やケガのリスクに備える保険だけでもいろいろあるんですね。

遠藤さん

保険の放置でリスクが増加??

一応、私たち夫婦も医療保険には入っていますが、20代のときに親のすすめで入ったきり、見直しはしていないです……。
掛け捨てで、「入院やケガをした時に備えておくか~」くらいのつもりだったので。
夫婦(男女)で医療保険を新たに選んだり、見直したりする際に、チェックしておくべきポイントについて教えてください。

遠藤さん

ご夫婦それぞれで医療保険に入っているのは安心ですね。でも、保険に加入したまま放置しているのは問題です。リスクに対する備えは、年齢や生活環境、家族状況などによって変化します。必要な保障がないまま保険料を支払い続けている場合もあるので、ある意味ではリスクですよー!
おもに次の3つをチェックしてみましょう。

加藤さん加藤さん

【ポイント1】今入っている保険の内容を確認
今入っている保険に毎月いくらの保険料を払い、どんなときに使えるのかを確認してみましょう。保険証券や、年に1回送られてくる契約内容の確認書類でチェックできます。
【ポイント2】現在の医療事情に対応できるかを確認
保険も車や家電などと同じように、新しい商品ほど機能(特約も含む)が改善される傾向があります。入院、手術などをしたとき、具体的にどんな状況で保険金・給付金が支払われるのかチェックしてみましょう。
【ポイント3】今の年齢、ライフプランに合った内容かどうかを確認
契約したときより年齢が上がったことや、結婚や出産などライフプランが変わったことで、保険に求めるニーズが変わっていることがあります。契約している保険が今の状況や考え方にマッチしているかをチェックしてみましょう。

そういえば、保険に入ったきり放置していました。まずは保険証券を探して契約内容を確認します! ちなみに20代から30代になって保険を見直すときには、どんなポイントを見比べておくのが良いのでしょう?

遠藤さん

たとえば、多くの医療保険についている「入院給付金」の項目で、入院した時にいつから給付金が支払われるのかを確認してみましょう。20代のときにご加入されたのであれば、契約から10年近く経っていますから、商品によってはまれに、入院の給付金が支払われるのは5日以上の入院をしたときに限られることがあります。

加藤さん加藤さん

そうなんですね!年齢が上がったことで考慮すべきこともありますか?

遠藤さん

はい。20代から30代になって年齢が高くなった分、保険を見直して新しいものに入り直すと保険料は高くなる傾向があります。ただ、本当に必要な保障を取捨選択してプランを作ることで、いま払っているのとそれほど変わらない保険料で、よりニーズに合う医療保険が見つかることもあります。

加藤さん加藤さん

なるほど。気持ちは永遠の20代なんですが……(笑)

遠藤さん

また30代から増える病気もありますし、ご結婚されたことで遠藤さんが保険に対して求めるニーズも変わっているはずです。遠藤さんはこれから妊娠・出産も希望していらっしゃいますから、その際のトラブルも気になるかもしれません。

加藤さん加藤さん

どんな保険だったら、そういった事態に備えられるんでしょう?

遠藤さん

通常の医療保険についている「入院給付金」の保障で、入院には対応できます。加えて「女性疾病特約」など、女性特有の病気で入院したときの保障が手厚い特約(オプション)をつけられる医療保険があります。切迫早産や帝王切開など、妊娠出産にかかわるトラブルでも給付が受けられるものが多いです。

加藤さん加藤さん

特約っていろんな種類がありますが、ほかにどんなものをつけるといいですか?

遠藤さん

その人に合った保障は人それぞれですので一概にはいえませんが、たとえば、通院でも給付を受けたいなら「通院給付金」という特約があります。病気の種類や重症度などにもよりますが、最近では入院が以前に比べ短期間となるケースが多く、退院後に通院して治療を続けるケースが増える傾向にあります。

加藤さん加藤さん

確かに。通院治療でもお金はかかりますよね。

遠藤さん

ほかには、がん、心疾患、脳血管疾患のような大きな病気になったときなどには、診断された時点で給付を受けられる「診断給付金」という特約や、所定の先進医療を受けたときに給付を受けられる「先進医療特約」をつけられる医療保険もあります。

加藤さん加藤さん

どれもつけておくと良さそうに思えますが、注意点はありますか?

遠藤さん

いま挙げた以外にも、医療保険にはさまざまな特約があります。つけるほど保障を充実させることはできますが、それだけ保険料は上乗せされます。どこまで必要か、月々の保険料を払い続けて家計に負担にならないかを考えて選びたいですね。

加藤さん加藤さん

やっぱり、保険料が上乗せされますよね-。ちなみに、医療保険といっても、がん保険なんかもあるじゃないですか。どのように使い分けするのが良いでしょうか?

遠藤さん

医療保険は幅広い病気とケガを対象としているのに対して、がん保険はその名の通りがんにかかったとき、がんで入院したとき等に限られています。特にがんに備えたいのであればがん保険が向いていますし、病気の種類を問わず、またケガにも備えたいなら医療保険が向いているでしょう。

加藤さん加藤さん

30代の夫婦共働きの場合、見直して加入する保険は、全く同じタイプで良いでしょうか? 夫と少し変えたほうが良いポイントってありますか?

遠藤さん

共働きに限らず、保険はご自身のリスクや状況に合わせて検討することが大切です。病気のリスクは性別、年齢によって異なることがありますし、加入している健康保険組合等によって受けられる補助が異なることもあります。

加藤さん加藤さん

そうですね。夫婦でも状況は違いますね。夫がきちんと保険に加入していれば、私は見直ししなくても大丈夫だと思っていました。

遠藤さん

そんなことはないですよ。男性と女性で、病気で入院したときの支出の内容も違うことがあります。女性の場合、プライバシーを確保したいから個室に入りたいと希望する方もいらっしゃいます。あるいは、入院中の自宅の掃除や洗濯について、旦那さんに頼めればいいですが、親族の方に留守宅に来てもらって家事をお願いした場合には、交通費や謝礼等の支払いが必要になりますし、家事代行会社などに依頼するようなケースでは、サービス料などもかかります。

加藤さん加藤さん

確かに!夫は仕事があるから、なかなか頼みにくいですね。治療や入院費用だけだと思っていましたが、それだけではないこともあるんですね。
まずは夫婦それぞれの保険の内容はもちろん、いざという時に使える公的制度や職場の福利厚生などを確認したうえで何が足りないかを整理して、必要な保障を検討したいと思います。

遠藤さん

第四北越銀行の

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