今は仕事で忙しく、平日も休日も家でのんびり過ごす時間が少ない方も、定年退職を迎え、子どもが独立した後には、自宅でゆっくりした快適な時間を過ごしたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
老後は家族構成やライフスタイルが大きく変化するため、将来に向けて住み替えやリフォームを検討する方が増えてきています。
リフォームを検討する際は、部屋の間取りや設備といった内装はもちろん、冬の雪かきなどの負担を軽減するために、カーポートの設置、インナーガレージへの改装があり、またマンションへの住み替えも候補に入れたいところです。
この記事では、自宅で快適な時間を過ごしたい!と希望する方向けに、ぜひ備えておきたい家の機能や、住み替え・リフォームにかかる費用について解説します。
ライフスタイルはどう変わる?
冒頭でもご紹介した通り、年を重ねるごとに家族構成やライフスタイルは大きく変化していきます。
では、具体的にどのような変化が訪れるのでしょうか?
老後の主なライフスタイルの変化のポイントを3つに分けて説明します。
子どもの独立
40代~50代になると、20代~30代で出産した子どもは成人し、就職や結婚などを機に家を出て独立するケースが増えてきます。
子どもが小さい頃にマイホームを購入した世帯では、子育てのしやすさを重視して間取りやレイアウトを考えることが多いため、夫婦2人だけの暮らしに戻ると、使わない部屋があったりと自宅を持て余してしまうかもしれません。
体力や足腰の衰え
シニア世代になると、加齢にともなって体力が落ち、足腰がだんだん衰えてくる傾向があります。
そのため、急な階段がある家や、雪かきが必要な家では、日常生活に不便が生じる可能性があるでしょう。
また、降雪量の多い地域で考えられるのが、屋根の雪下ろし作業にともなう事故です。国土交通省の発表では年間1,000件を超える除雪作業中の事故が発生しているとされており、死亡事故のうち65歳以上の高齢者は約8割にものぼります。[注1]
このようなリスクを回避するためにも、「無落雪屋根」を検討するのはいかがでしょうか。無落雪屋根へのリフォーム相場は1軒あたり100万円~300万 円程度といわれています。2020年12月に日本海側を中心に発生した大雪のように、豪雪が発生した際であっても安心して暮らすために無落雪屋根へのリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。
[注1]国土交通省 雪下ろし安全10箇条~除雪作業中の事故に注意しましょう~
ご家族の介護
高齢になってくると、自分やご家族を介護する可能性についても考慮する必要もあります。
特に車いす生活になった場合、部屋の入り口が狭かったり、段差があったりすると移動が困難になるため、バリアフリー工事を検討しなければならないかもしれません。
老後に備えたい!家の機能4選
老後に快適な生活を送るために、ぜひ備えておきたい家の機能を4つ厳選してご紹介します。
1.間取り・広さ
老後に足腰が弱くなる可能性を考慮すると、生活動線や家事動線はなるべくシンプルにまとめるのが理想です。
たとえば、玄関からリビングまでを直線の廊下でつないだり、キッチンやリビングの近くに洗面室や浴室を設置したりすると、生活動線や家事動線が短くなり、足腰への負担が軽減されます。
また、間取り・広さを意識したリフォームは足腰の衰えのためだけではありません。
子どもが独立した、あるいは近々独立する予定がある場合は、夫婦2人で快適に過ごせる空間を準備するのもよいでしょう。
子ども部屋を書斎に造り変えたり、ホームシアターなど趣味を楽しめる空間に模様替えしたりするのもひとつの方法です。
その他にも、結婚を機に独立した子どもが孫を連れて遊びに来る未来を想像して、空いた子ども部屋を客間にする、子ども・孫を含む3世代が集まれるようにリビングを広くするといったリフォームもよいでしょう。
独立していたキッチンをオープンキッチンにしたり仕切りをとったりすることで、開けた雰囲気のリビングに様変わりします。特に吹き抜けを設けると2階だった高さにある窓が高窓となり、リビングが明るくなるでしょう。
間取りの変更を伴うリフォームや水回りのリフォームにかかる工期相場は約3週間〜2ヶ月、費用相場は100万円〜1,000万円 というように、施工内容によって大きく変動します。間取り・水回りのリフォームは工期ならびに費用が多くかかるため、検討を重ねたうえでリフォームを依頼しましょう。
2.収納
子どものいるファミリー世帯は家財が多いため、なるべく大容量の収納を選びますが、シニア世代の夫婦2人暮らしの場合は、容量よりも使い勝手を重視することも大切です。
たとえば、奥行きのあるクローゼットや、腰よりも高い位置にある収納は、足腰が弱ってくるシニア世代にとっては使いにくく、デッドスペースになる可能性もあります。
また、子どもの独立後、2階の子ども部屋を収納に活用する家庭も少なくありませんが、足腰が弱ってくると階段の上り下りがつらくなり、物の出し入れが困難になってしまいます。
このような足腰の衰えの対策として2階には普段使わないような荷物を収納するのがおすすめです。ただし、暖房器具を2階に持ち運ぶのは危険なので、シーズンオフであっても1階に収納しましょう。
老後の生活を意識した収納スペースを作るうえでは、壁面収納の設置がおすすめです。10万円〜90万円程度のリフォーム費用 で部屋がすっきりし、収納スペースもアップします。
3.バリアフリー
高齢になるにつれて、段差でつまずいたり、転倒する可能性が高くなります。
将来車いすが必要になる可能性も考慮すると、早い段階から家中の段差を解消するのはいかがでしょうか 。
バリアフリー仕様にすれば、足腰の弱った大人はもちろん、小さなお孫さんの転倒リスクも防ぐことができます。思い切り駆け回れる家であれば、小さなお孫さんも喜んで訪れたくなるような家になるでしょう。
また、開き戸は動線を狭めてしまうので引き戸への変更も検討するとよいでしょう。
バリアフリー仕様のリフォームは機能性だけでなくスタイリッシュさも反映することができます。たとえば部屋を可動式のパーテーションで仕切れば、段差を解消できるだけでなく、来客がないときはパーテーションを開くことで広々とした空間を演出できます。
段差解消のリフォームは2万円〜15万円程度 扉のリフォーム費用相場は20万円~30万円程度 といわれています。
それぞれのリフォームは動線確保が目的です。そのため、どの箇所にリフォームを施すべきかを考えて無駄のないリフォームにつなげましょう。
4.手すり
階段や玄関、浴室といった段差のある場所や、立つ・座るという動作をともなうトイレでは、手すりをつけると安心でしょう。
手すりは、高齢者だけではなく、妊婦の方や小さな子どもを抱えたお母さん・お父さんにとってもあると便利です。
ただし、手すりを設置する場合は、土台となる壁を補強する必要があります。すぐに手すりを取り付けるわけではなくても、住み替えやリフォームの際は取り付け部分にあらかじめ下地を入れておくとよいでしょう。
その他にも……
以上、老後の住まいに備えた4つの機能をご紹介しましたが、ニーズや地域の特性、住まいの状態などを考慮して、その他の機能や設備の採用を検討することも大切です。
もしも老後に免許返納を考えているのなら、車を処分しても生活に困らないよう、駅に近いマンションへの住み替えを検討してもよいでしょう。
また、現在の自宅をリフォーム・リノベーションする場合や、中古物件への住み替えを検討する場合は、建物の耐震性にも注意する必要があります。
地震や台風などの自然災害が発生しやすい日本では、いつどこで大規模災害に見舞われるかわかりません。そのため、老後に備えてリフォームや住み替えを考えている際は、物件の建物診断(ホームインスペクション)や必要に応じて耐震補強工事も実施することをおすすめします。
でもタダじゃない……費用はどうする?
時間にゆとりのできる老後を安全・快適に過ごすためには自宅や住み替え先の改修が必要ですが、やはり気になるのはリフォームにかかる費用です。
国土交通省がまとめた「既存住宅流通・リフォーム市場の現状」によると、住宅リフォームの投資額は「0~100万円未満」が約35%、「100~500万円未満」が約50%となっており、およそ8割が500万円未満に収まっています。[注2]
一方で、リフォームの目的別に見ると、「老後に備えたり、同居する高齢者等らが暮らしやすくするため」に実施した工事について、「間取りの変更」およびキッチン、バス、トイレ、室内家具等の「住宅設備の変更」、バリアフリーの一環として「段差をなくしたり手すりをつけるなどした」などの項目は、いずれも半数以上の人が「500万円超の費用がかかった」と回答しています。
もともとリフォームに向けてお金を貯めてきた方は自己資金でカバーすることも可能ですが、そういう方ばかりではありません。
そんな方は、金融機関が提供しているリフォームローンの利用を検討してみましょう。
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もちろん、電話やFAX、郵送でのお申込みも可能。金利の種類も豊富なので、返済計画に合わせた自由な選択が可能です。
また、1,000万円を超えるような大規模リフォームを検討されている方や、住宅ローンが残っていてリフォームローンとの一本化をご希望される方には、最大1億円の融資が可能な有担保型リフォームローンの取り扱いがあります。
リフォームの用途や住宅ローンの有無などに合わせて、お好きなリフォームローンをお選びいただけますので、自宅や住み替え先のリフォームをお考えの方は、ぜひ第四北越銀行にご相談ください。